木工用ノコギリの種類・特徴・用途
投稿日:2015/9/20
工具Q:木工用ノコギリの種類・用途・特徴について
A:木工用のこぎりは木材、竹材などの木工材料を所定の寸法と形状に切断して、部材などを作り出す道具です。工作の目的によって各種ののこぎりがあります。のこぎりの種類と用途は表のとおりです。
種類 | 用途 | 特徴 |
縦挽きのこぎり | 木材の繊維を縦断して挽く | 縦挽き歯すなわち縦目歯 |
横挽きのこぎり | 木材の繊維を横断して挽く | 横挽き歯すなわち横目歯 |
両歯のこぎり | 縦挽き、横挽きの両用 | 片歯のこより身幅が広い |
胴付きのこぎり | 仕口胴付き部を挽く | 横挽き歯、精密工作用 |
ほぞ挽きのこぎり | ほぞ挽き用 | 精密な縦挽きに用いる |
畔挽きのこぎり | 取付け材等のみぞ加工用 | 片歯と両歯とがある |
廻挽きのこぎり | 挽抜き、曲線挽き加工用 | 木材面に垂直に立てて挽く |
弦掛けのこぎり | 木工の小細工、竹挽き用 | のこ身は薄く幅狭のリボン状 |
Q:鋸の各部名称について
A:鋸はのこ板と込みおよび柄の各部によって構成されている。
<鋸の各部の名称についての説明>
のこ板(のこ身)
鋼板に焼入れを施して弾性をあたえている。
歯(歯形)
木材を切削する部分。縦挽き歯(縦目)、横挽き歯(横目)、ばら目歯(散木目又は茨目)があります。
込み
柄に入る部分を込みと呼ぶ、込みは軟鉄で作られ、のこ板に溶接する。
本身・末身
鋼板に焼入れを施して弾性をあたえている。
のこ板(のこ身)
のこ板の首に近い部分を本身といい、先端部分を末身といいます。
腰
本身から末身へ向かって、おおよそ3分の1付近の部分をのこ板の腰といいます。
検歯・あご歯
末身の最先端の歯を検歯、本身の最終端の歯をあご歯という。
刃渡り
検歯からあご歯までの長さを刃渡り寸法といいます。鋸の大きさを呼ぶときの寸法です。関西の方が関東よりいくらか寸法が長い。
Q:鋸の使い方について
A:鋸の使い方は次の手順で行ってください。
①材料を固定する
のこぎりを正確にひくためには材料が動かないようにすること。万力などで固定するか、手でしっかりと押さえることです。
②まずノコ道をつけます。
左手親指の爪先を切り始める位置にあて、そこに刃の元の方で軽くノコ道をつくる。(切断線の墨の右側がくるように)
③引き込み角度は30度にします。
ノコ道ができたら左手親指を離し、目をノコ身の真上に置き、横ぶれしないように引き始めます。引き込む角度は概ね30度で、いったん引き始めたら、その角度を変えないようにするのがポイントです。
④力を入れるのは引くときだけ。
前に押すときは力を抜き、引き寄せるときに軽く力を加えます。
⑤右は柄尻、左は柄頭(両手引きノコの場合)を持ちます。
右手で柄尻をしっかりと握り、左手で柄頭近くを軽く持ちます。片手引きは柄の中間あたりを握ります。
⑥引き終わりは注意深くする。
引き終わりに、材料が重みで折れたり、裂けたりすることがあるので、手でまたは当て物をして支えます。引く角度を小さくしていき、水平か、むしろ逆に柄がノコ身より下になるようにして引きおえます。
Q:鋸の手入れについて
A:鋸の使用後は水気を拭き取り、木工用油を塗っておくとよい。
使用後の手入れを怠ると、サビが生じて使いものにならなくなる。使わないときは、布や新聞紙に巻いて保管してください。切れ味が鈍ったら目たてをする。(今は替え刃式のものがある。)
25.4mm当たりの山数 | 用 途 |
14山 | 軟鋼、銅鋼、アニミニウムブロック、バビット、砲金、レール |
18山 | 真鍮、青銅、鋳鉄、カーボン銅、バイス銅、ドリルロッド、厚手のアングル、重量用のケーブル |
24山 | 銅棒、カーボン銅、バイス銅、ドリルロッド、鉄板、銅管、薄手のアングル、コンジットチューブ、真鍮パイプ、軽量チャンネル、鉄パイプ |
32山 | 銅管、鉄板、ドリルロッド、BKケーブル |
Q:金切りノコの使い方について
A:材料の金属片やパイプを万力で固定します。金切りノコの取っ手の部分と先端の部分をしっかりとにぎり、押すときに少し力を加え引くときは力を抜いてください。切る材料により、刃を選択してください。
Q:その他のノコギリの種類について
A:非金属用ノコギリがあります。種類として、ヘーベル切断ノコ、エンビソー、スレートソー、ミゾキリソー、万能ノコ、断熱材カットソー、フレキシソーがある。
ヘーベル切断ノコ
荒目はヘーベル・シポレックス・ALC用、細目は鉄・鉛管・非金属用に使われる。替え刃式になっていて、押し切りと引き切りの兼用型になっている。
エンビソー
エンビ管の切断に使われる。替え刃式で、塩化ビニール、ベークライト、デコラ、新建材などの切断にてきしている。
スレートソー
スレートの切断に使われる。替え刃式で、スレート板、スレート管、塩化ビニール管などの切断に適している。
ミゾキリソー
ACL、石膏ボードの溝切り、面取り、ケガキ削りはがしやACLの加工や補修に適している。
万能ノコ
木工、金工、ブロック、ガラス、スレートなどの切断に使用される。
断熱材カットソー
断熱材の切断加工に使われ、分厚い断熱材も切断できる。
フレキシソー
ポケットに入る携帯用のワイヤソーで、目詰まりしない。左右の指で両端を持ち、切りたい所に刃を当てて、ピンと張り、勢いよく両方向に引っ張って切断する。