水栓の水漏れと補修
投稿日:2015/9/21
住宅設備Q:水栓の水もれと補修
A:水もれ場所によって補修場所が違います。水漏れ個所を確認し、パッキンを取り替えて下さい。
水もれの見つけ方
まず、家にある水栓と止水栓を全部閉めます。1分ほどしてから止水栓だけを開いてメーターをチェックします。赤い星が少しでもまわったらどこかで水もれしています。水まわりの壁や床がいつも濡れていたり、壁に耳を当てると使っていないのに水の音がする場合も要注意です。
水栓の水もれ
ほとんどの水もれはパッキンの痛みが原因。パッキンを交換するだけで修理できます。痛んでいる箇所を見つけて早めに交換しましょう。
修理の前に
①最初に水もれの箇所を確認します。水もれはどこか、まずチェック
②止水栓を閉め、水栓のハンドルを開いて水の止まっていることを確認してから作業を始めましょう。
<止水栓の種類>
マンションなどの中高層住宅の止水栓ボックス
キー式
ハンドル式
止水栓ボックス(メーターボックス)のふたを開け、止水栓を右にまわします。
一部の地域では左まわしの場合もあります。止水栓がどこにあるかわからない場合は、水道局にお問い合わせください。
水もれの補修方法①
ハンドルを閉めても吐水口から水がもれる場合
コマパッキンの傷みが原因です。
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ケレップ(PP82A-1S)及びエスコマ(PP88-1S)を交換してください。
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ケレップの直径と使用水栓
直径 – 使用水栓の呼び
15 規格品 13
21 規格品 20
①止水栓を閉め、ナットをゆるめます。
②ハンドルをはずし、パッキンを抜き取ります。
③ケレップはパッキンを、エスコマは本体ごと取替えます。
④逆の手順で元にもどします。
※ナットを締めすぎるとハンドルが固くなります。止水栓を開き、水もれがないかチェックしましょう。
※パッキンを替えても水もれする場合は、本体を交換する必要があります。
左からケレップ、エスコマ、節水コマ
◎ケレップ、エスコマ、節水コマはどこがちがうのか
ケレップとはJIS規格水栓用のコマで、パッキンが痛んだらゴム部分だけを交換できます。エスコマはケレップの使い捨てタイプと考えてください。また、節水コマはハンドルを開いても吐水量が制限される特殊な形状になっています。
水もれの補修方法②
ハンドルの根元から水がもれる場合
三角パッキンの傷みが原因です。
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水栓上部パッキン(PP42A-1S)を交換してください。
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三角パッキン パッキン受
①止水栓を閉め、ナットをゆるめます。
②ハンドルをはずします。
③カラービスをはずし、三角パッキンを取替えます。
④逆の手順で元にもどします。
※ナットを締めすぎるとハンドルが固くなり、開閉しにくくなりますので注意しましょう。
※止水栓を開き、水もれがないかチェックしましょう。
左から
三角ハンドル PR20F・PR200F(TOTO用)
スイングレバー PR233F・PR28F・PR29F
クリスタルハンドル
◎ハンドル交換で、使いやすさUP
ハンドルが熱くなる。ひんぱんにハンドルを開閉する。
そんな場合は、クリスタルハンドルやレバータイプがおすすめ。取付けも簡単です。
水もれの補修方法③
パイプの根元から水がもれる場合
ナットがゆるんでいるか、Uパッキンの傷みが原因です。
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ナットがゆるんでいなか確認します。
ナットを締めても水もれする場合は、パッキンを交換します。
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パイプパッキンセット(PP43A-1S)を交換してください。
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左からUパッキン、リング
※パイプのサイズ(取付外径16mm、19mm)をお確かめください。
①ナットをゆるめ、パイプをはずします。
②Uパッキンとリングを取替えます。
③逆の手順で元に戻します。
※ナットを締めすぎるとパイプが動きにくくなりますので注意しましょう。
ハンドルを開き、水もれがないかチェックしましょう。
JIS規格水栓 A(パイプ外径)
呼び13 16mm
呼び20 19mm
◎パイプの取替え
パイプにはいろいろな種類があり、取替えも簡単。
目的にあったものを選びましょう。
◎パイプのサイズについて
パイプのサイズは水栓本体の大きさによって異なります。
パイプパッキンやパイプリングを取替える場合などには、水栓とパイプのサイズを必ず確認して下さい。
パイプアダプター(PT35-24S)を使用すれば、呼び20の水栓に16mmパイプを取付けることができます。
水もれの補修方法④
水栓と壁の間から水がもれる場合
シールテープの傷みが原因です。
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シールテープ(PP75-1S)を交換してください。
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シールテープ(PP75-1S)
①止水栓を閉め、水栓をはずします。
②配管内のシールテープくずやゴミをきれいに取除きます。
③古いシールテープを取除き、シールテープを右向きに6回程度少し引張りながら巻きます。
④水栓を取付けます。
無理に締めすぎると配管を傷めます。根元パッキンやシールテープの量で調整してください。
⑤止水栓を開き、水もれがないかチェックしましょう。
※水もれがあれば、再びシールテープを巻きなおしてください。
◎配管ネジが奥にあって届かない時
ツギタシソケット(PT22)を使用します。
ネジ部にシールテープを巻き専用の六角スパナ(R35)で取付けます。
六角スパナは立水栓取付レンチ(PR351)にも付属しています。
◎水栓の凍結予防について
凍結が予想される地域では、水抜きができる寒冷地用の器具を使用してください。
また、寒冷地以外でも水道の凍結には要注意。器具内に水が残ったまま凍結すると水が出ないだけでなく、
配管を破損させることがあります。
特に戸外に露出している水栓には、水道凍結防止ヒーター(PR551)などの使用が効果的です。
混合栓 本体と偏心管から水がもれる場合
シングルレバー混合栓を使用していてパイプの先から水もれする場合
①止水します。(偏心管で止水できます)
逆配管のときは、カートリッジと弁座の向きを逆にします。
向きを変更後は、吐水、止水の操作が逆になります。
②カートリッジを交換します
パッキンについて
水栓のサイズに応じてパッキンのサイズも変わります。
呼び13の水栓には直径15mmのケレップまたはエスコマを使用します。
呼び20の水栓には直径21mmのものを使用します。
左からケレップ、エスコマ、節水エスコマ、節水コマ
節水コマはハンドルを開いても吐水量が制限される特殊な形状になっています。
ケレップとはJIS規格水栓用のコマで、パッキンが痛んだらゴム部分だけを交換できます。
エスコマはケレップの使い捨てタイプと考えてください。
呼び13㎜の水栓のパイプパッキンは16㎜用のものを、呼び20用のパイプパッキンは19㎜用のものを使用します。上部パッキンはそれぞれ13用・20用を使用します。
①の様に可動部分に使用されるのがアジャストパッキンです。
②の様にあたり面のある部分に使用されるのが平パッキンです。