ヤスリの種類・サイズ・特徴・用途
投稿日:2015/9/22
工具Q:ヤスリの種類、サイズ、特徴、用途について
A:木工ヤスリの種類は下表のとおりです。
ヤスリの断面形状 目立方による分類
上から鬼目ヤスリ、単目ヤスリ、複目ヤスリ、シャリ目ヤスリ
【サイズ】
150・200・300・350mm
【材質】
普通鋼(SS、侵炭焼入)、炭素鋼(S45C、S55C)
【用途】
木材、ソフトメタル、石膏などの軟質材の荒仕上げ
【特徴】
目並は茨状の鬼目。形状には平形、半丸形、丸形などがある。ヤスリの種類を断面形状と目立方による分類で示します。
鉄工ヤスリ
上から平、甲丸、丸、角、三角
【サイズ】
100・150・200・250・300・400mm
【材質】
炭素工具鋼(SK1)
【用途】
主に金属の手作業による仕上げ用
【特徴】
目並は複目で荒目、中目、細目、油目があり、仕上げの状態によって形状や月並の程度を変えていく。形状には丸、甲丸、平、角、三角があります。
組ヤスリ
【サイズ】
5本組215mm、8本組200mm、10本組185mm、12本組170mm
【材質】
炭素工具鋼(SK7またはSK8)
【用途】
機器の小さい部分の手作業による仕上げ。
【特徴】
目並は複目。
各組のセット内容を以下に示します。
組 | 平 | 半丸 | 丸 | 角 | 三角 | 先細 | 鎬 | 楕円 | 刀刃 | 腹丸 | 蛤 | 両甲 |
5本 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||
8本 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||
10本 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
12本 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
目立ヤスリ
【サイズ】
75・100・125・150・175mm
【材質】
炭素工具鋼
【用途】
ノコギリの目立用
チェーンヤスリ
【サイズ】
直径3.0、3.2、3.5、3.9、4.0、4.7、5.0、5.5、6.0
【材質】
刃物工具鋼
【用途】
チェーンソー刃の刃研ぎ
【特徴】
丸棒にヤスリ目が付いているので、刃研ぎによりチェーンソーのアサリが変わることが少ない。
ボードヤスリ
【サイズ】
サイズ250、300、350、400、450mm
【材質】
普通鋼(SS、侵炭焼入)
【用途】
石膏ボード、ALC板などの仕上げ、馬のひづめの仕上げ用
【特徴】
ナメコ形の平形をしたヤスリ。目並は表面が茨状の荒鬼目。表面は荒鉄工目で複目。
ダイヤモンドヤスリ
【サイズ】
粒度#180~500
【材質】
ダイヤモンドパウダー
【用途】
通常のヤスリでは困難な難削材(焼入鋼、セラミック、ガラスなど)の研削用
【特徴】
基材にダイヤモンドのパウダーを電着させたヤスリ。粒度によって荒目(#180)、中目(#320)、細目 (#500)に分けられる。
断面の形状は組ヤスリと同様に12種類ある。
ノコギリヤスリ
【サイズ】
200、250㎜
【材質】
炭素工具鋼
【用途】
鉄サビ、ペンキのはがし
【特徴】
金切鋸刃を組み合わせたヤスリ。鉄、胴、アルミ、鉛、木材、ベニヤ、石膏の工作に適している。
サンダー
【サイズ】
1平方cmの目の数
荒目 50(サンドペーパーの#120~180相当)
中目180(サンドペーパーの#220~280相当)
細目310(サンドペーパーの#320~400相当)
【材質】
本体はプラスチック
【用途】
木工作業、アルミ・プラスチック材の整形・仕上げ、家具・建具の補修、サビ・ペンキ落としなど。
【特徴】
木、アルミ、プラスチックの研削工具。作業性、耐久性に優れたヤスリで、刃を交換して使用する。曲面用、平面用、プロ用がある。
サンドペーパーの6倍以上の速さで削ることができ、かつ約100倍長持ちする。
Q:正しいヤスリの使い方について
A:ヤスリの切刃を前方向にして、押しながら使います。引くときは浮かせてください。削りたい面や場所によって、➊〜➌の力点のかけ方があります。
A点に力加減をしながら使います。
⇩
A・B点に力加減をしながら使います。
⇩
B点に力加減をしながら使います。
ヤスリ柄の取り付け・取り外し方について
<取り付け方>
<取り外し方>
ヤスリと柄が並行になるよう、一方の手で保持し、台の上で縦方向に打ち付けます。
柄の取り付け口を打って、取り外します。
ヤスリの持ち方
力強く大型ヤスリを使うとき
右掌のクボミに柄を当て、包むように持ちます。
左手はヤスリの端を支えるように持ちます。(左ききの方は逆です。)
中・小型ヤスリを使うとき
左手の親指でヤスリの穂先をつかむように持ちます。
ヤスリが安定し、キレイに仕上がります。
ミニヤスリで精密仕上げするとき
人差指を前に出して、ヤスリに力を入れないようにします。
⇩
右手の上を左手に添え、手元を安定させた状態で滑らせるようにして仕上げます。
⇩
ヤスリの前後をつまむようにして仕上げる方法もあります。
Q:ヤスリの管理について